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福島の原発事故はまだまだ予断よ許さぬ状況だけど、
電源復旧で冷却装置の動作が可能になる見込みが出てきたことで
少しは希望が見えてきたね。

今回の事故で、都市部の鉄道は大混乱、計画停電が行われるなど
かつてない危機的な状況に陥ってしまったわけですが、

『原子力発電所が供給してくれてた電気ってこれだけ重要だったんだね。
やっぱ原子力発電は必要だったんだね。』

って思った人はどれだけいるでしょうか。

『こんな重大な事故を起こすなんて、やっぱり原子力に頼るのはよくないよ。』

って意見になった人が多いでしょう。
多いというより、世論のほとんどが後者じゃないかな。


原発反対を唱えるのは別によいと思うけど、安易に反対意見に流れるのは
よくないことだと思う。

実際こんなニュースもあるみたいだし。

東日本大震災 原子力施設集中の東海村 風評被害を警戒
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000004-maip-soci

今回の事故をうけて、みんながしなければいけないことは
感情論に任せて反対意見を言うことじゃなくて、
原子力をはじめとしたエネルギー問題についてもっとよく知ること、
そして考えることじゃないかな。

「こんな事故が起こるから原子力発電はやめるべき。温暖化で少しくらい
暑くなっても我慢するから火力発電にしたほうがいい。」

なんて意見をネットで見たけど、レベル低すぎ。

石油・石炭といった化石燃料は知ってのとおり、大昔の微生物あるいは植物などが
長い年月をかけて地中で科学変化を起こしてできたもので、
カンブリア時代から何億年という歳月をかけて地中に大量のCO2を固定してきた。

それが産業革命が起きてからのたった200年ほどで燃やされ、大気中にCO2を
放出したことで大気の成分が地球の歴史上かつてない急激な変化を起こしている。

温暖化だけが原因じゃないが、いま生き物が絶滅していくスピードは
恐竜が絶滅した時代よりもずっと早いということだ。

もともと地中奥深くで地上のサイクルから隔離されていたCO2を大気中に
放出しているわけだから、いくら光合成を行う木を増やしたって
大気組成がもとに戻ることはない。
石油を燃やすってことがどれだけ大変なことかをもっと知るべきだ。

ならば地上のサイクル上にあるものを燃やせばよいかというと
それも難しいと思う。人間が欲するエネルギー消費量は
植物がCO2を取り込むサイクルのスピードで追いつかないくらい多いからだ。

メソポタミア文明が燃料として周りの森林を伐採したことで、かつて
原生林を構成していたレバノン杉は、いまや絶滅危惧種。
人類最古の文明の時代から、エネルギー問題は環境破壊に関与してきた。

いまバイオエタノールとか植物からエネルギーを作る方法が研究されているけど、
全人類が消費するエネルギーをまかなうのは無理な話。


一方原子力はどういったものなのか。

ウランやプルトニウムといった重い元素が崩壊するときに出すエネルギーを
利用するというもの。

「ものを燃やす」ということは、物質が酸素と結びつく「酸化」という
化学反応であり、利用するエネルギーは化学結合のエネルギーに起因するもの。

一方原子力は原子が崩壊するときに質量が直接エネルギーに変換するもので、
そのエネルギー量はアインシュタインが導き出した式「E=mc²」であらわされ、
化学反応で得られるエネルギーに比べて膨大な量となる。
得られるエネルギーが多いってのは核兵器のイメージから一般の人にも
広く認識されていると思う。


化学反応は原子同士の結びつきによって起きる反応。
そもそも原子ってなによ?って人も多いと思うが、レゴブロックなんかを
思い浮かべてもらえればわかりやすいと思う。
組み合わせによっていろんなものが作れるけど、構成しているブロックの
種類は限られている。その単純なブロックひとつひとつが原子。
理科の教科書の見開きによく書いてある、周期律表ってのに載っているのが
元素、つまりそれ以上分けられない原子として存在する物質。
それ以外の物質は原子がいくつか組み合わさってできた
分子というものでできている。

核反応はその原子そのものが変化してしまう反応のこと。
原子は物質を構成する最も単純なパーツだけど、実はこれもまた
さらに細かいパーツの組み合わせでできている。
それが陽子、中性子、電子。陽子と中性子が組み合わさって原子核をなし、
その周りを電子が回っていることで構成される。

原子の種類は原子を構成するこれら素粒子の数で決まってくる。
水素ならば陽子1個の原子核に電子1個、
ヘリウムなら陽子2個中性子2個の原子核に電子2個、とかね。

核を構成する陽子と中性子は非常に強い力で結びついているので
そう簡単に別の原子に変わることはないが、非常に強いエネルギー下において、
この原子核を構成する陽子・中性子の組み合わせが変わり、別の原子に
変わる現象が核融合、および原子崩壊だ。
原子力は原子崩壊を利用している。

原子崩壊は簡単にいうと、原子核を構成する陽子と中性子が二つ、
あるいは複数に分かれて別の原子に変わること。
重い原子は崩壊するときにエネルギーを放出するので、
人間はそれを利用している。

このとききれいに二つに分かれてくれれば問題ないんだけど、
陽子、中性子、電子っていう細かいパーツ単位であまりが出ちゃって、
それらも単体、あるいは組み合わさった形で放出されちゃう。
これをひっくるめて放射線と呼んでいるんですよ。

アルファー線は陽子2個、中性子2個が組み合わさったもの。ヘリウムの核と同じ。
ベータ線は電子が単体で飛んでくるもの。
ガンマ線は非常に波長が短い電磁波。波長が異なるだけで、光と同じ現象です。
中性子線は中性子が単体で飛んでくるもの。

一まとめに放射線といっても、名前が変わるとモノがまったく異なってくる。
これらの放射線は原子レベルの変化で生成されるものだから、これがほかの
原子にぶつかれば当然原子レベルの変化が起きる。

ひとつの原子が崩壊し、そこで生成された放射線がほかの原子に
ぶつかることで、ぶつかられた原子がまた崩壊、放射線をだし…
といった感じて連鎖的に原子崩壊は起こる。
いったん原子崩壊が始まると生成される放射線はねずみ算的に増えていくから
爆発的に原子崩壊が進んでいく。

この原理を利用したのが原子爆弾。

連鎖のスピードって言うのはどんどん加速していくから、爆弾を作るのは
むしろ簡単で、原子力発電のように平和利用したい場合は
制御棒とか重水とか使って一定のスピードで連鎖反応が進むように
調節しなければいけない。

原子崩壊は制御する手立てが見つかっているけど、核融合はまだ
制御する段階までいたっていない。核融合は仕組みがちょっと違うから
制御の仕方もまったく異なるんだけど。

ウランなんかの重い原子は崩壊するときにエネルギーを放出するけど、
水素なんかの軽い原子はくっついて重たい原子になるときにエネルギーを
放出する。
重くなるにつれてだんだんと核融合時に出すエネルギーが減っていって、
鉄(Fe)あたりを境目にして今度は重い元素に結合するのにエネルギーが
必要になってくる。
だから鉄はエネルギー的に見て安定した物質で、宇宙には割りと多く
存在しているといわれている。
宇宙から降ってくる隕石には隕鉄っていってほとんど鉄でできているものもあるし、
そもそも地球の中心部の組成は鉄が主成分のひとつとなっている。

核反応と宇宙の鉄の割合が何の関係があるのかと思うかもしれない。
そもそもビッグバンで宇宙ができたときは陽子、中性子、電子がばらばらで
存在しており、それらが結びついてできた原子は水素やヘリウムといった
シンプルなものだけだった。
やがてそれらがお互いの重力で集まりだし、集まった量が多くなり
密度が大きくなりおしくらまんじゅう状態で強いエネルギーがかかると
やがて中心部で核融合が始まる。

これが恒星ですよ。

恒星内では核融合で重い原子がどんどん作られていく。やがてエネルギー状態が
安定したいわば燃えカスともいえる鉄になるわけです。
しかし恒星の中心部では周りで起こっている核融合により強い圧力をうけ
エネルギーを与え続けられるので、自らエネルギーを発しないような
核融合がおき、ウランなどのさらに重たい原子が作られていくのです。

やがて恒星は寿命を迎えて爆発、いわゆる超新星となるのですが、
そのときに内部で作られた重い原子が宇宙に放出されたのです。

つまり、われわれの体を構成している炭素、窒素なども昔恒星で
核融合の結果できた物質。
水も、大地も、空気も、生き物も、
核融合を経験した物質でできているんですよ、みんな。

太陽の輝きが核融合によるものであるから当然のごとく太陽から
くる太陽風には放射線が含まれているんだけど、地表の大気が太陽風から
まもってくれているから地球上の放射線量は少なく、生き物が生きていけるのです。
しかしまったく放射線がゼロになることはなく、微量ながら地表にも存在します。

放射線は前に述べたとおり、原子そのものに反応する力を持っています。
だから、生き物を構成するたんぱく質のような高分子、つまり大きな分子を
容易に破壊してしまいます。
通常の怪我と違いこわいのは、原子レベル、分子レベルでの破壊が起きるため
遺伝子の損傷が起きるということです。
生き物は日々新陳代謝で細胞を新しく作り、入れ替えてますが、
その細胞の設計図である遺伝子が破壊されると代謝が進むごとに
間違った細胞をつくりつづけていくようになります。
これがいわゆるがん細胞です。

放射線は原子炉で核反応が起きているときはもちろん、使い終わった
核廃棄物からも出続けます。
廃棄物の処理も大きな問題になってますがね、いずれは宇宙に捨てるようにすれば
いいんですよ、こんなもの。
宇宙は広いし、もともと太陽から放射線が降り注いでいる環境ですからね。

いまはロケットを使うから宇宙に出るのに膨大なエネルギーが必要だけど、
宇宙まで届くエレベータとか、もっと簡単に宇宙までいける方法を
科学者とか技術者がまじめに研究しているんですよ。
SFじみた話に聞こえるかも知れないけど、人類が月に立ってもう50年、
いつかわからないけどそんな未来が来ると思います。


なんだかスケールのでかい話になってしまいましたが、物理学科出身だったりする
俺としては、現代物理の範疇が実用されている数少ない分野である原子力が、
いい形で社会に貢献してくれればいいと思っているんですよ。
その分放射線の怖さもちゃんと理解しているつもりだし、
いろいろ検証した結果、原子力・核融合はエネルギー利用するには
手に余る存在って結論に達するのも、それはそれでアリだとは思う。
でもね、表層的な感情論じゃなくあらゆる方向からエネルギー問題を
考えてからじゃないと意見っていえないと思う。
感情論に任せた意見なんてただの野次だよ。

原発反対って言ってるやつも、みんな車も乗りたいし、ネットもやりたいんでしょ。
遠い海で取れるマグロ食って、空調の聞いた部屋に住んで…。

「自然サイクルとの調和を実現していた、
 江戸時代に生活レベルを戻そうじゃありませんか!」

なんて主張してるやつ、見たことないし。

文明社会を支えていくエネルギーを生み出し、それでいて地球環境を破壊しない、
ある意味相反するこの二つの問題を同時に解決する方法を実現するのは
簡単じゃない。
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